ためしてガッテンレビー小体型認知症について
原因になる病気によって、認知症の種類は70種類くらいに分けられることをご存知ですか?
認知症の中でも約50%を占めるのが「アルツハイマー型認知症」で、その次に多いのが『レビー小体型認知症』です。 しかし、このレビー小体型認知症は患者数が多いにも関わらず、見逃されたり誤解されたりしています。
そこで今回は、「NHKためしてガッテン」で取り上げられた『レビー小体型認知症』についてご紹介します。
レビー小体型認知症とは?
「NHKためしてガッテン」で何度も取り上げられてきた認知症ですが、まだ紹介されていなかった第二の認知症が『レビー小体型認知症』です。
このレビー小体型認知症は、あるはずのないものが見えてしまう『幻視』という症状があらわれることが特徴。脳の中に【レビー小体】という不要なタンパク質がたまってしまい、視覚情報の処理がうまくできなくなることが原因で幻視が起こると考えられているようです。
レビー小体型認知症の症状
レビー小体型認知症の症状はこちら!!
◇幻視
人や虫がいると訴える、壁に話しかける、空中に手を伸ばすなど
◇症状が急にあらわれては消える
頭がはっきりしている状態と、ボーッとして幻視が出やすくなっている状態との波があるのが特徴
◇筋肉がこわばりや動きの鈍さ
手足や筋肉のこわばり、動きの鈍さ、小股歩行、転びやすくなる、無表情など
この3つのうち、2つに当てはまる場合はレビー小体型認知症の強い疑いがあると考えられます。 また、3つのうちの1つと「睡眠中に大きな声で寝言を言ったり、手足を激しく動かす」などの【レム睡眠行動障害】がある場合も、レビー小体型認知症の強い疑いがあります。
そのほか、「うつ症状」や「頑固な便秘」、「暑くないのに大汗をかく」といった症状があらわれることも!!
『レビー小体型認知症』の治療法については続きでご紹介します。
レビー小体型認知症の治療法について
レビー小体型認知症の症状の改善には早期発見が大切です。周囲の方が上で紹介したような兆候を見つけたら、医師に相談することをおすすめします。
レビー小体型認知症の治療法はまだ見つかっていませんが、認知障害や異常行動、パーキンソン症状に効果的な薬があります。
家族が「レビー小体型認知症かな?」と思ったら、まずは全国の「認知症疾患医療センター」や、「地域包括支援センター」、「認知症サポート医」などに相談されると良いでしょう。
家族の対応について
では、家族はどういった対応をしたら良いのでしょうか?
レビー小体型認知症の代表的な症状として『幻視』がありますが、この『幻視』への対応の仕方にポイントがあります。まず『幻視』を頭ごなしに否定せず、受け止めて安心させることを第一に考えましょう。
さらに、本人以外には見えていないことを伝えることもとても重要です。
また、幻視の原因となるものを取り除き、幻視を見やすい環境を減らす、散歩や音楽鑑賞など視覚以外に注意をそらすことも、家族ができる対応方法です。
薬が効きやすいので要注意!!
レビー小体型認知症の患者は、さまざまな薬が効きやすいという特徴があるため、注意が必要です。
幻視をなくすために使用する統合失調症やうつ病の治療薬の副作用が強く出る場合も!!このような場合は、すぐに薬の用量や中断について医師に相談してくださいね。
ほかの病気と間違われたり誤解されたりしてきた『レビー小体型認知症』の症状や家族の対応の仕方など、参考にしていただけると幸いです。