ためしてガッテン
「心の風邪」といわれる「うつ病」。
しかし、この「心の風邪」という言葉が、うつ病患者さんを苦しめている場合も!!
ここでは家庭や職場などで正しく理解してもらえないことが多い「うつ病」の症状や治療のポイントをご紹介します。
うつ病の症状について
いまや患者数が100万人を超えるといわれているうつ病。
「うつ病は心の風邪」「薬と休養で必ず治る」などといわれることも多いですが、「ためしてガッテン」の取材の結果、多くの患者さんが「うつ病は心の風邪なんかじゃない!!」と感じていらっしゃるのだとか!!
うつ病の症状としては、
◆何に対しても楽しいと感じることができず、興味がわかない
◆食欲がなく、体重が減る
◆よく眠れない
◆疲れやすく、だるさがとれない
◆イライラする
などが主な症状です。また、
◆自分には価値がないと思う
◆集中力が低下して、考えることができない
などの症状もあります。
長い間、うつ病に苦しめられている方も多く「心の風邪というのになかなか治らない」という焦りや不安が、さらに患者さんを苦しめている原因の一つかもしれませんね。
うつ病治療のポイントは?
私たちの脳は、憂鬱な気分になったとき、その憂鬱な気分を消そうとする信号を脳全体に送ります。
神経細胞から神経伝達物質が放出することにより信号の伝達が行われますが、うつ病の方はこの神経伝達物質の放出が減少しているため、命令がうまく伝わりません。
そのため、憂鬱な気分から抜け出せなくなってしまうのです。さらにひどくなると、脳の一部が萎縮してしまうことがあることも明らかに!!
うつ病は脳の異変であるといえるでしょう。
うつ病特有の脳の反応とは?
また、うつ病特有の脳の反応も明らかになっており、「快感を期待する部分」の働きが弱くなっている一方、「不快を予測する部分」の働きが強くなっていることが判明しました。
治療を受けて良い傾向になっても「これからきっと良くなる」と思えず、反対に少しでも悪い傾向があると「まだまだ治らない」と、さらに悪化するのではと脳が勝手に反応してしまうのです。
なので、「症状の回復はゆっくりであることを知る」ことと、落ち込みが深いほど回復も遅くなるため「一刻も早く治療をスタートする」ことが、うつ病治療で大切です。
そして、休息・休養と抗うつ薬が重要となってきます。抗うつ薬は、効果があるかどうかは飲んでみないとわからないため一つずつ試すというのが現在の治療法ですが、患者さんに合った抗うつ薬が見つかるまで時間がかかる場合があります。
このことも、心に留めておきたいですね。
「認知行動療法」が話題!!
休息・休養と抗うつ薬で回復してきた段階では、『認知行動療法』が行われる場合もあります。
患者さんが憂鬱な気分になったとき、その原因とそのときの気持ちと強さを紙に書きだしてもらい、それに対し、医師はその状況を前向きにとらえられる別の考え方が無いかを問いかけるというものです。
別の考え方を見つけて、幅広く考えることで気分を軽くする方法を見につけるというのが、「ためしてガッテン」のうつ病の特集でも紹介された『認知行動療法』です。
認知行動療法により、「不快を予測する部分」の働きが弱まることがわかっています。認知行動療法はすべての医療機関で行われているわけではないので、まずは主治医に相談してみてくださいね。
最後に、うつ病チェックシートなどうつ病を判断するための情報は山ほどありますが、うつ病の疑いがある場合は自己判断せず、必ず医師の診断を受けてくださいね。